特集

2024/02/14

地球以外の星には生命体がいるのか?

誰しも一度は頭に浮かんだことのあるこの問い。ですがその答えはまだ明らかになっていません。
この問いに答えが見つかる日はくるのでしょうか?
そして、いまこの問いのために、どのような取り組みがなされているのでしょうか?

「地球以外の星には生命体がいるのか」という問いを考えるには、まず「生命の起源の謎」を考える必要があります。

しかし生命の起源というテーマはあまりに難しいため、研究者はなかなか手を出すことができません。
(成果が出しにくく研究者としてのキャリアパスが描けないからです。)
そのため、生命発生のプロセスに正面から取り組む研究者は、世界的に見ても極めて少数です。

そんな中で、今回講義動画を紹介する戸谷友則先生は、宇宙論の研究をしながら、生命の起源についても探究されています。
戸谷友則先生の講義動画を視聴して、生命の起源や宇宙の生命体について考えてみませんか?

分野を横断した生命の起源の研究

生命の起源とは、つまり「非生命が生命に変わるプロセス」のことです。
この問題が難しいのは、それが物理・化学の世界と生物の世界にまたがっているからです。

戸谷先生は、研究分野として物理系と生物系は隔絶しているといいます。
生命の起源はその隔絶した分野の境界領域にあります。

生命に関しては数多くの難問があり、これまで、数多くの物理学者たちが、生命の謎に挑んできました。
(たとえば、量子力学で有名なシュレディンガーは『生命とはなにか』という著作を残しています。)
しかし、それでもなお、生命の起源にはまとまった結論が出ていないのです。

UTokyo Online Education 2020 戸谷友則

すべての生物は、ひとつの生命から生まれた

そもそも、生命とは一体なんなのでしょうか?

NASAアストロバイオロジー研究所は、生命を“self-sustaining chemical system capable of Darwinian evolution”(ダーウィン進化することができる、自立して持続可能な化学的システム)と定義しています。

自己複製して進化することができるのは、生命の重要な条件です。
生命は複製しながら進化していくため、いま地球上にいる多様な生物たちも、もとを辿れば共通の個体に行きついていきます。

それでは、生命のもとを遡りきるとどうなるのでしょうか?

戸谷先生は、いま地球上にいる全ての生命体は、たったひとつの共通祖先「LUCA(last universal common ancestor)」から進化してきたと考えられるといいます。

UTokyo Online Education 2020 戸谷友則

それはつまり、地球上で非生命から生命の誕生が1回しか起こっていないということです。
少なくとも、それが複数回起きたことを示唆する観測的な事実はありません。

非生命から生命が誕生する確率は

「地球以外の星には生命体がいるのか」

この問いに取り組むにあたっては、長い宇宙の歴史の中で「非生命から生命が誕生する確率がどれくらいか」ということを考える必要があります。
つまり、非生命から生命が誕生するという現象が頻繁に起こるのであれば、地球外生命体がいる可能性が高いし、ほとんど発生しないようであれば、その可能性は低くなるということです。

地球45億年の歴史のなかで、非生命から生命が生まれたのは最初の8億年以内と考えられています。
それは、地球の歴史のなかではかなり初期のほうであるため、その後の地球においても、生命が発生する確率は高い(期待値1以上:平均して1回以上起こる)のではないかと思えてきます。

しかし、早急に結論を出すわけにはいきません。
たまたま生命が早く誕生しただけ(1回だけの現象がたまたま初期に起こった)の可能性もあるし、原始地球の環境が生命の発生により適していたから(それ以降はそのようなことが起きる確率がぐっと下がる)かもしれないからです。

さらに、「人間原理」という考え方もあります。
人間原理では「宇宙(地球)が人間に適しているのは、そうでなければ人間は宇宙を観測できないから」というように考えます。

生命が誕生してから、人間ほどの知能を持つ生命体が生まれるまで、35億年以上もかかっています。
太陽の光度の上昇により、あと10億年もすると生命は地球に住めなくなるとも想定されているため、もし、たとえば地球ができてから45億年経った今、初めて最初の生命が誕生していたとしたら、人間ほどの知的生命体が生まれる前に、地球から生命は滅亡することになっていたでしょう。

つまり、私たちが「どうして地球の歴史の最初の時期に生命が生まれたんだろう」などと疑問に思うことすらなかったわけです。
そのような疑問を持つ私たち知的生命体が地球に存在するためには、地球の初期に生命が生まれていなければいけません。

一方で、初期に生まれて以降、1回も生命が誕生していないという事実に注目すると、むしろ生命の発生確率は低いのではないかと考えられます

先ほどの人間原理の考え方を用いると、どれだけ生命の発生確率が低かったとしても、0でさえなければ、地球に生命が生まれたこととは矛盾しません。私たち知的生命体は、必然的に自分の惑星に生命が存在することを見いだすからです。
地球のような惑星における生命の発生確率については、期待値1ぐらいに高い可能性もあるし、ほとんど期待値0に近いくらい低い可能性もあります。
(ただし1よりはるかに大きいと、「地球で生命の発生は1回だけ」という観測結果と矛盾します。)

このように歴史の視点から、いくつかの要素に着目して「非生命から生命が誕生する確率がどれくらいか」ということを考えてみましたが、なかなかまとまった答えを出すことはできません。

RNAから生命が生まれた

歴史の視点からの考察では、「地球以外の星には生命体がいるのか」という問いに一定の信頼性ある答えを出すことはできませんでした。

それでは、生物側から考察してみるとどうでしょうか?

まず、生命の起源はどのようなかたちで生まれたのかというのが、ひとつの取り組むべき問題になります。

生命を構成する重要な要素は、タンパク質DNAです。
タンパク質はDNAの遺伝情報に基づいて製造されます。つまり、タンパク質がつくられる前にDNAがなくてはいけません。
一方、そのDNAの複製にはタンパク質の酵素が必要です。つまりDNAがつくられる前にもタンパク質がなくてはいけません。
タマゴが先かニワトリが先かというような話で、タンパク質とDNA、どちらが最初にできたのかには結論が出せません。

戸谷先生は、ひとつの回答として、DNAとタンパク質の橋渡しをするRNAが最初に生まれたのではないかといいます。

生命の起源について最も有力な仮説のひとつに、RNAワールド仮説というものがあります。
それは、自己複製可能な活性を持つRNAがまず誕生し、そのあと、DNA-タンパク質ワールドに進化していったとする説です。

RNAは、いくつかの生体化学反応の触媒になります。つまり、タンパク質の酵素と同じような役割を果たしているのです。
自身が酵素になれるのであれば、タンパク質がなくとも複製を行うことが可能だと考えられます。

UTokyo Online Education 2020 戸谷友則

自己複製能力をもつRNAの長さ

ただし、RNAワールド仮説は、最初のRNAがどのように生まれたのかという問いには答えてくれません。

注目すべきは、自己複製に近い活性をもつRNAがどのようにつくられるかということです。

RNAは、ヌクレオチドという基本的な単位がつながり、長くなってできたものです。
「試験管内進化」という手法で、自己複製に近い活性をもつRNAが実験的につくられています。
その長さはおおよそヌクレオチド100~200個分(100~200nt)です。
このようにヌクレオチドがうまくつながっていき一定の長さを超えれば、できたRNAがそのまま自己複製し、生物へと進化していくかもしれません。

それでは、完全な自己複製能力をもつRNAの最小の長さは、どのくらいでしょうか。

専門家によると、25nt以下の長さのRNAは特に活性を示さないといいます。
しかし、40~60nt以上の長さにまでなれば、自己複製能力をもつRNAができる可能性があります。(Szostak ’93; Robertson+’12):

UTokyo Online Education 2020 戸谷友則

なかなかできない自己複製が可能なRNA

自己複製能力をもつRNAの長さが分かったうえで考える必要があるのは、どうすれば長鎖のRNAが合成されるかです。

ひとつ、ヌクレオチドがランダムな化学反応で連なって、自己複製能力をもつ長さまで達する可能性があります。

ただし、RNAが長鎖になるほど、それが自然に発生する確率は急激に低くなっていきます。
戸谷先生はその確率を「猿がでたらめにタイプしてシェークスピアの小説ができる確率」、「竜巻がジャンク置き場を通過してジャンボジェット機ができる確率」と例えます。

UTokyo Online Education 2020 戸谷友則


想像するだけでも非常に低い確率です。

実際に数字で確認してみましょう。

生命誕生に必要なRNAの長さがどれくらいであれば、生命になりうる活性を持つRNAがランダムな化学反応でひとつ生まれるのかを考えます。
(「生物活性をもつRNAの最小の長さ」と「その長さで活性をもつ(=特定の情報配列)RNAがランダムな化学反応でひとつ生まれるために必要な星の数」を考えます。)

ひとつの星で考えた場合、そこで生まれる活性をもつRNAは、確率的に21ntの長さにとどまります。
しかし、先ほど確認したように、自己複製が可能なRNAは、実際には少なくとも40nt以上の長さが必要だと考えられます。
任意のひとつの星でRNAが40nt以上の長さに達することはなさそうです。
それはつまり、ひとつの星をランダムに持ち出しても、そこで簡単に生命は生まれそうにないということです。

それでは、範囲を拡大させ、ひとつの銀河を考えてみるとどうでしょうか?

ひとつの銀河には10の11乗個の星があります。そこで生まれる活性をもつRNAは、確率的に27ntの長さです。
かなり範囲を拡大させたにもかかわらず、40nt以上の長さにはまだ遠く及んでいません。
ヌクレオチドの連鎖は長鎖になるほどより難しくなっていきます。

それでは、観測可能な宇宙にまで広げてみるとどうでしょうか?

観測可能な宇宙とは、宇宙誕生から現在までの138億光年で光が到達可能な距離、つまり、地球を中心とした半径138億年の宇宙領域です。
そこには、銀河系のような銀河がおよそ1000億個含まれています。星の数にして10の22乗個です。
果てしなく膨大で想像することも難しいでしょう。
ですが、観測可能な宇宙で生まれる活性を持つもつRNAは、確率的に31ntの長さです。

ここまで範囲を広げても、まだなお、自己複製が可能だと考えられる40nt以上の長さに届いていないのです。

UTokyo Online Education 2020 戸谷友則


私たちが観測可能な宇宙で生命が生まれる確率は、ほとんど0だということになります。

インフレーション宇宙論

それはつまり、地球以外の星には生命体がいないということなのでしょうか?

しかし、戸谷先生は、宇宙は「観測可能な地平線」を超えて大きく広がっているといいます。

そこで持ち出されるのが、「インフレーション宇宙論」という理論です。
この理論では、宇宙は超初期に光速を超える速さで指数関数的に膨張したと考えます。

UTokyo Online Education 2020 戸谷友則


宇宙はすさまじい速さで膨らんだため、光速では届かない範囲にまで広がっています。

宇宙の観測結果からみると、インフレーションでできた真の宇宙の大きさは、観測可能な宇宙と比べて、少なくとも10の26乗倍(体積にして10の100乗倍)ほど広がっていると思われ、そこに含まれる星の数は10の100乗個にのぼります。(観測可能な宇宙では10の22乗個でした。)
また、より宇宙が広がり、多くの星が含まれている可能性も十分にあります。

40ntの活性を持つRNAが生まれるには、10の39乗個の星が必要だと考えられます。
真の宇宙には、それを大きく超える数の星が存在します。
真の宇宙の大きさを想定すれば、生命を宿す星は数多くあると考えられるのです。

地球外生命体には出会えない?

戸谷先生は、インフレーション宇宙の大きさを考えると、生命はランダムな化学反応で多数発生していてもおかしくないと述べます。

しかし、観測可能な宇宙で生命体が生まれる可能性はとても低そうだということがわかりました。
戸谷先生は、地球外生命体を見つけられることはないだろうといいます。
宇宙にロマンをもつ方には、残念な話かもしれません。

ただし、地球の生命と同じ起源をもつ生命体がみつかる可能性はあります。
微生物が隕石に乗って、惑星や恒星の間を移動することもあると考えられるからです。
もしくは、未知のプロセスがあり、ランダムな化学反応より遥かに高い効率で生命が発生している可能性もあります。
この場合、生命が発生する確率は、これまで確認してきたものよりもかなり高いものになります。

ただし、戸谷先生はこの可能性に否定的な態度をとっています。

なぜなら、私たちが地球外生命体を発見できたとすれば、地球のような惑星の大半に生命がいることになるからです。
つまり、生命発生の期待値がほぼ1ということになります。
(これは、1より遥かに大きいと地球で生命が一度しか発生していないことと矛盾します。)
これまで見てきたように、生命発生の期待値には、ほぼ無限の振れ幅があります。
そこで期待値がちょうど1ほどになる必然的な理由は、まったくありません。

もし仮にランダムな化学反応より効率的なプロセスで生命が発生していたとしても、私たちが見つけられる範囲にほかの生命体がいる可能性は、決して高くはないのです。

「高校生と大学生のための金曜講座」で学ぶ

今回紹介したのは、戸谷友則先生による講義『宇宙における生命:命の星はいくつあるのか?』でした。

講義は「高校生と大学生のための金曜講座」というオムニバス講座で開講されたものです。
「高校生と大学生のための金曜特別講座」とは、東京大学が高校生と大学生を対象に2002年より公開している講座のことです。

(ウェブサイトはこちら

ここでは、東京大学のさまざまな分野の先生方が、学問研究の魅力を分かりやすく伝えています。

東大TVでは、過去に開催された金曜講座の動画を数多く公開しています。
対象となっている高校生や大学生はもちろん、大人の方にも視聴いただける、分かりやすい講義になっています。

たとえば、紹介した戸谷先生と同じ2020年度に開講されたのは次の講義です。

「離散力学系の不思議な構造」ウィロックス ラルフ先生

「超すごい顕微鏡で生きた細胞を視る」岡田 康志先生

「くすりと社会」桝田 祥子先生

「新型コロナウイルス感染症対策から考える行政権力の問題」國分 功一郎先生

「認知モードの言語間比較」渡邊 淳也先生

「地域活性化を考える:産業立地の視点から」鎌倉 夏来先生

「新型コロナウイルス感染症:東大の基礎研究から生まれた治療薬の種」井上 純一郎先生

「光と物質の新たな出会い:光科学の最前線への招待」五神 真先生

きっとみなさんの興味のある分野の講義動画もあるはずです。
ぜひサイトを眺めて、いろいろな動画を探してみてください。

<文/竹村直也(東京大学学生サポーター)>

2024/02/06

「哲学」に関心があるけど、なにから始めたらよいか分からない…

そんな人は、まず「ギリシア哲学」に触れてみるよう、勧められることが多いかもしれません。

しかし、ギリシア哲学といえば、プラトンやアリストテレスなど、登場するのは何千年も前の思想家ばかり。あまりに時代を遡っているため、そこから学べることなどもうないような気さえしてしまいます。

一体どうして、それほどギリシアの哲学を知る必要があるのでしょうか?

それは、哲学というものがまさにギリシアで生まれたものだからです。

それどころか、科学的な思考や人間を中心とした自然観など、現代文明(西洋文明)の基盤となっているものも、ギリシアに由来しています。

とりわけ西洋では、教養の一番の基礎として、いまでもプラトンなどのギリシア哲学が根強く支持されています。

また日本でも、明治大正期、西洋文明を受容する過程で、ギリシア哲学の著作が幅広く読まれていました。

現代の日本もギリシア哲学の影響から逃れているわけではなく、現状の制度や価値観などの元をたどると、ギリシアに行きつくことが往々にしてあります。

私たちの考えや社会のおおもとにあるギリシアの思想を知り、いま生きる世界についてよりよく理解してみませんか?

ギリシア哲学の4つの時期

今回紹介するのは、古代ギリシア哲学の専門家、納富信留先生による講義動画です。

納富先生はギリシア哲学の大家で、過去には国際プラトン学会の会長も務められていました。

講義は高校生と大学生を対象としたもので、専門的で難解な話はほとんどなく、初学者でも十分に理解できる内容になっています。

講義ではまず、「ギリシア哲学とは何か?」ということが語られます。

一口にギリシア哲学といっても、それは非常に長いスパンで展開された哲学の総称です。

その長さは、なんと11世紀もの期間に渡っているといいます。(日本だと現代から平安時代にまで遡ってしまいます!)

そのような長きに及んでいるため、ギリシア哲学は一枚岩ではありません。納富先生は、ギリシア哲学を全部で4つの時期に区分しています。

1つめの「初期ギリシア哲学」は、紀元前6世紀はじめ(前585年のタレスの日蝕予測)から紀元前5世紀後半にかけての哲学です。

イオニア・イタリア地方を中心に、宇宙論や存在論について語られます。タレスやアナクシメネス、ヘラクレイトスなどによる万物の根源をめぐる議論や、ピュタゴラスによる数学がこの時期に興っています。

2つめの「古典期ギリシア哲学」は、紀元前5世紀半ばから紀元前4世紀後半です。

ソクラテス、プラトン、アリストテレスなど、ギリシア哲学の代表者たちが集う、黄金期ともいえるような時代です。一般に「ギリシア哲学」といって想像されるのはこの時代の思想でしょう。アテナイを中心に、倫理学、論理学などが発展しました。

3つめの「ヘレニズム哲学」は、紀元前4世紀から紀元前1世紀です。

アリストテレスの弟子、アレクサンドロス大王が東方遠征を行って以後、領域が拡張されたギリシアにおける哲学です。エピクロス派、ストア派などが、人間の生きる意味を探究しました。

最後の「古代後期哲学」は、紀元前1世紀から紀元後6世紀前半に渡ります。

すでに哲学の中心はギリシアではなくローマ帝国へと移っており、新プラトン主義などが展開されました。

ローマなのに、なぜ「ギリシア哲学」なのかと感じる人もいるかもしれません。

しかし納富先生は、ローマ帝国は、文化的にギリシアの延長にあったといいます。ギリシア語で著作が記されることも多く、たとえば五賢帝のひとり、マルクスアウレリウスは日記をギリシア語で記していました。

納富先生は、ギリシア哲学を以下の4つの特徴で定義します。

①時期:紀元前6世紀初めから紀元後6世紀前半

②地域:地中海東部から西ヨーロッパの地域
(ギリシアのポリス世界からヘレニズム世界を経てローマ帝国まで)

③言語:古代ギリシア語およびラテン語

④性質:キリスト教以外の哲学

ここで注目したいのは、④の「キリスト教以外の哲学」という性質です。

じっさい、古代後期哲学以後は、異端扱いされたギリシア哲学が廃れ、キリスト教社会へと移行していきます。(529年にユスティニアヌス帝による異教徒学校閉鎖令が敷かれました。)

一度ギリシア哲学をベースとする文化(法律、政治制度、自然科学などを含む)は宗教の影に隠れるようになりますが、のちにルネサンスなどを経て、再び西洋文明の基盤となっていきます。

西洋文明の基盤となるギリシア哲学

冒頭でも紹介したように、それぞれの時代に面白く有用な他の哲学がありながら、それでもなおギリシア哲学は、西洋文明において特別な地位を占めています。

それは、哲学という営みがギリシア哲学から始まったからであり、さらにはギリシア哲学が西洋文明そのものの基盤にもなっているからです。(イギリスの哲学者、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドは(1861-1947)は、「西洋哲学の伝統はプラトンの脚注にすぎない」とまで述べています。)

しかし、政治制度や自然科学など、現代の重要な要素の元となる一方で、哲学者のカール・ポパーが「プラトンの『哲人統治論』はナチズム、スターリニズムの原型だ」と述べるなど、その功罪も指摘されています。

ギリシア哲学は、良くも悪くも現代社会に多大な影響を及ぼしているのです。

ギリシア哲学の「アゴーン」と「コイノーニアー」

それでは、そのようなギリシア哲学を成立させている特徴とは一体なんなのでしょうか?

納富先生は、「アゴーン」「コイノーニアー」のふたつの要素を挙げます。

「アゴーン」とは、おおまかに「競争」のことを意味します。

古代ギリシアには、オリンピックで知られるように、名誉をかけて人々が競い合う文化がありました。また、競争は体力の面にとどまらず、コンクールでは悲劇や喜劇に優劣をつけていました。

ここで特に注目したいのが、言論による競争、すなわち論争です。

ギリシアには、先行者を徹底して批判的に吟味する精神があり、人々は他者と主張を交わしながら、より良いものを求めていました。(民主政はそのひとつの表れだといえます。)

たとえばアリストテレスは、「親しい人より真理をまず尊重する」と述べています。

このような、他者と言葉を競わせながら真理を探究する態度が、ギリシア哲学の根幹にあるといえます。

一方、「コイノーニアー」が意味するのは、「共同」です。

人々は意見を競わせますが、それは個々人で完結しているのではありません。多くは人との対話によって成立します。

論争を繰り広げながらも、決して敵対するのではなく、共にひとつの答えにたどり着こうとする共同の精神がありました。

たとえば、プラトンが設立した学校・アカデメイアは、まさに言論の自由と共同の生によって、真理の探究が目指された場だといえるでしょう。

ギリシア哲学の批判的な思考とは

それでは、共同でなされるギリシア哲学の批判的な思考とは、どのようなものなのでしょうか?

講義では、いくつかの例をもって紹介されています。

ひとつは、初期ギリシア哲学の「万物の根源」をめぐる論争です。

この時期、「万物の根源(=アルケー)は何か?」という問いが立てられ、幾人かの思想家がそれに応答しました。

タレスはまず、この問いに対して「万物の根源は水だ」と答えました。

するとアナクシメネスは「空気」、ヘラクレイトスは「火」と、それぞれの答えを提示します。

アナクシマンドロスは「無限」、ピュタゴラスは「数」と、答えが次第に抽象的になっていきます。

これらの主張は、現代の視点から見ると、間違いだと一蹴できてしまうものかもしれません。

しかしここで注目すべきなのは、主張される中身それ自体よりも、各人がそれぞれの根拠をもって自説を主張しながら、それを競わせる形で共有の知を作っていった態度のほうです。

他者の主張をそのまま鵜呑みにするのではなく、それを踏まえて新たに説を展開していったことで、議論が深まっていったことが重要なのです。

この態度は、現代の科学の土台となっているといえます。

そして、ギリシア哲学の代表人物であるソクラテスは、この批判的な思考を体現した人物でした。

ソクラテスは、アテナイの街で出会う人に「正義についてどう思いますか?「勇気とはなんだと思いますか?」と問いかけ、対話を行います。

相手の間違いを指摘することになるので、結果としてソクラテスは数多くの批判を行うことになりました。(そしてよく知られているように、ソクラテスは周りの人から目をつけられて処刑されてしまいます。)

しかし、この対話の目的は、相手を批判することではなく、相手とともに物事を探究して、互いの「魂をできるだけ善く」していくことにあります。

批判的思考は、現代にも通ずる哲学の中核であり、物事を突き詰めて考える際の基本となる考え方です。

「哲学」を学ぶ

講義では最後に、「哲学」を学ぶとはどういうことか、納富先生によって語られます。

講義全体の中でも特に実践的なことが語られるこのパートは、ぜひみなさんご自身で視聴してもらいたいのですが、特に印象的なのは「学問が成立したのは哲学から」という主張です。

だからこそ納富先生は、大学に入学したら、ぜひ一度哲学に触れてみてほしいといいます。

学生は、それぞれ専門的な学問分野を探究していくことになりますが、その根幹には全て哲学があります。

また、働き始めてからも、人は哲学的な営みとは無縁ではいられません。

ぜひみなさんもぜひ、この講義動画を視聴するところから、哲学と触れ合ってみてください。

今回紹介したのは、「高校生と大学生のための金曜特別講座」で2022年に開講された「古代ギリシア哲学を学ぶ意義」という講義でした。

「高校生と大学生のための金曜特別講座」とは、東京大学が高校生と大学生を対象に2002年より公開している講座のことです。

(サイトはこちら

東大TVでは、過去に開催された金曜講座の動画を含む、東京大学の公開講座や講演会の動画を数多く公開しています。

そして、哲学に関する講義動画も数多くあります。

真理を探究することと「騙す」ことの関係を考える講義

新型コロナウイルス感染症対策から行政権力について考える講義

〈衰退する社会〉における社会倫理を考える講義

抽象的な議論だけでなく、現実の問題を捉えて論を展開する講義も数多くあります。

ぜひ今回の講義の動画にあわせて、ほかの動画も確認してみてください。

<文/竹村直也(東京大学学生サポーター)>

2024/01/25

「国境の長いトンネルを抜けると、雪国であった。」

川端康成の小説『雪国』は、この有名な一文から始まります。

それでは、この文章を英語に訳すとどのようになるでしょうか?

翻訳家のエドワード・ジョージ・サイデンステッカーは、文章を次のように英訳しています。

“The train came out of the long tunnel into the snow country.”

英文は、日本語にはなかった「train」が出てきたりと、元の文章とまったく違ったものになっています

もはや「意訳」とさえ言えないような翻訳ですが、どうしてこのような大幅な文章の変更がなされたのでしょうか?

そこには、日本語と英語の「認知モード」の違いがかかわってきます。

「認知モード」とは、事態を言い表すときに好まれる視点の取り方のことです。

どのような視点で出来事を認知しているかは、言語によって異なっているのです。

翻訳をしていると、素直に訳しているのに不自然な文章になり、かえって伝わりにくくなることがあると思います。

「認知モード」の違いは、それを引き起こす重要な原因のひとつです。

このポイントをおさえることで、外国語を学習する際にも、言語間の違いを効果的に意識することができるようになるかもしれません。

IモードとDモード

今回紹介するのは、言語学が専門の渡邊淳也先生による講義です。

さて、講義では、まず言語ごとの認知モードの違いについて説明されます。

認知モードには、「Iモード」「Dモード」というふたつの区別が提唱されているといいます。

Iモードは、認知主体が対象や環境とのインタラクションを通じて認知像を形成する認知モード、

Dモードは、認知主体としての私たちが、何らかの対象とインタラクトしながら対象を捉えていること(認知像を形成していること)を忘れて、認知の場の外に出て(displaced)、認知像を客観的事実として眺めているという認知モードのことです。

この説明だけでは、少し分かりにくいかもしれません。

講義では、それぞれの認知モードが図で示されています。

図のように、Iモードは、事態の認知の場に、認知主体が入っています

認知の主体が、対象とのインタラクションのプロセスに組み込まれた視点のままで、事態を描写するのが、この認知モードです。

Iモードはある意味で、認知主体の本来の視点のまま、事態を描写しているといえます。

Dモードは、事態の認知の場から、認知主体が離れています

認知の主体は本来、対象とのインタラクションを行う認知の場の内部にいますが、ここでは疑似的に主体がその場の外側に立っています。

主体が実際に立っている場からではなく、その外側から事態を観察しているような認知の仕方が、このDモードです。

授業では、日本語はIモードを、英語はDモードを反映する言語の典型として紹介されます。

認知モードの違いは、実際の文章にどのようにあらわれるのでしょうか?

授業では、以下の例文を使って説明されます。

日本語文:
扉を開けると、見知らぬ女性が窓ぎわに立っていた。

この文章を英語に直訳すると、たとえば次のようになります。

英訳例:
When I opened the door, a strange woman was standing by the window.

この文章は「間違い」ではありませんが、英文として不自然なものになっています。

より自然な文章は、たとえば次のようなものです。

自然な英訳例①:
When I opened the door, I saw a strange woman was standing by the window.

自然な英訳例②:
When I opened the door  to find a strange woman was standing by the window.

元の英文が不自然になるのは、前後の文章がうまくつながっていないからです。

見知らぬ女性が窓ぎわに立っていたのは、扉を開けたそのタイミングにかぎりません。女性は扉を開ける前から、たしかにそこにいたはずです。

「扉を開けたとき」に起きたことは、正確に述べられるなら、「見知らぬ女性が立っていた」ことではなく、「見知らぬ女性が立っているのを私が見た」ことになります。

英語の場合、扉を開けたときに起きている事態を、客観的に述べる必要があります。そのためには “I saw” や ”to find” といったつなぎの文章が必要です。

逆に日本語で「扉を開けると、見知らぬ女性が窓ぎわに立っているのを私は見た」というような文章にするのは不自然です。日本語は認知主体が知覚したことをそのまま描写することが多いため、本来自ら見ることのできない「私」が文章に登場することはあまりないのだといえます。

注意が必要なのは、これは「論理的」、「非論理的」というような違いではないということです。日本語と英語で違うのは、あくまで事態をえがく際の視点の取り方です。

講義では、Iモード寄りの日本語と、Dモード寄りの英語の中間の認知モードを取る言語として、フランス語が挙げられています。

講義では、日本語と英語、フランス語それぞれの言語の文章における認知モードのあらわれ方について紹介されます。(その比較は、次の章で紹介します。)

このように数ある言語は、完全なIモードと完全なDモードの間のどこかに位置するかたちで、事態を描写しているのです。

IモードとDモードを区別する特徴

それでは、Iモードの言語とDモードの言語では、それぞれどのような文法的な違いがあらわれるのでしょうか?

講義では、両者の違いを区別する特徴が、計23個、3つのグループに分けて示されています。

①:身体的インタラクションにかかわる諸特徴

「人称代名詞」「主観述語」「オノマノペ」「移動表現」「間接受身」「与格か間接目的語か」「難易中動態構文」「過去時物語中の現在時」

②:R/T型認知か、tr/lm型認知か

「主題か主語か」「かきまぜ(scrambling)」「代名詞省略」「語順」「R/Tかtr/lmか」「be言語かhave言語か」「『する』と『なる』」「非人称構文」「虚辞」

③:メタ認知性と有界性

「終わり志向性」「アスペクト」「動詞vs衛星枠づけ」「冠詞の有無」「話法」「従位性の度合い」

講義では、①の「身体的インタラクションにかかわる諸特徴」を中心に、これらの特徴における日本語と英語とフランス語の違いがどのようなものであるかが語られます。

この記事でこれらの全てを示すのは難しいため、以降の章では、一部を抜粋して紹介します。

諸特徴についてより詳しく知りたい人は、ぜひ講義動画を視聴してみてください。

人称代名詞

日本語と英語の違いとして比較的簡単に思い付くのは、人称代名詞の違いではないでしょうか?

英語では、主体を指す人称が(主語においては)“I”の1種類しかないのに対して、日本語では「わたし、ぼく、おれ」のように、無数のバリエーションがあります。

この人称は主体の性質に依存しているだけでなく、対話の相手や状況によっても使い分けられることがあります。

主体の置かれた状況に左右されているという点で、日本語の人称の変化はきわめてIモード的であると考えられることができます。

一方、ひとつの決まった人称を使う英語は、発話者と主体に距離があることを示しており、Dモード的です。

フランス語は、英語と同じく人称が一定ですが、一般的な人称代名詞のほかに、Iモード的な性格をもつ人称代名詞 “on” があります。

この “on” は、文意に応じてあらゆる人を指すことができる人称です。講義で紹介された例文を紹介します。

仏文:
En Tunisie, on parle arabe et français.

日本語訳:
チュニジアでは(みんなが)アラビア語とフランス語を話す。

仏文:
On a  rendez-vous devant la gare de Montparnasse à 17h.

日本語訳:
(わたしたちは)17時にモンパルナス駅前で待ち合わせよう。

仏文:
Qu’est-ce qu’on a appris aujourd’hui?

日本語訳:
(きみは)今日は何を習ったの?

“on” は、発話状況や発話内容に関与的な人を自在に指しています。

状況に依存しているという点で、この “on” の使われ方はIモード的であると考えられます。

さらに、上の日本語訳を確認すると、(括弧で示したように)それぞれ “on” にあたる部分を省略するほうが自然な日本語になることが分かるはずです。

日本語では意識されない主語が、主語を省略できないフランス語では “on” によって形式的にあらわされていると考えることもできます。

主語か主題か

言語には「主語」と「主題」というものがあり、そのどちらが頻出するかによって、Iモード的であるかDモード的であるか区別することができます。

英語を学ぶ際に必ず意識することになる主語に対して、主題はあまりなじみのない概念かもしれません。

主題とは、その文が何について述べているか示すもので、情報の出発点となります。

主題は発話者にとって身近なもの、多くは既知のもの(旧情報)がおかれます。

日本語においては、「…は」で示されるものが、主題をあらわしていると解釈できます。

「…は」と「…が」を併用した文章では、(基本的に)「…は」が主題であり、「…が」が主語です。

日本語文:
象は鼻が長い。

上記の文章では「象」が主題であり、「鼻」が主語です。

「よく知られた『象』という対象において、その『鼻』は長い」のだと説明する文章になっています。

主題と主語という観点で日本語と英語を比べると、日本語は主題優先英語は主語優先の言語です。

日本語の主題優先の傾向があらわれた例として、「うなぎ文」という有名な文章があります。

日本語文:
(昼食に何を食べるかというと)ぼくはうなぎだ。

これを英文に訳す際には、“I am an eel.” とすることはもちろんできず、“I’ll take an eel.” のように、“take” (食べる)を入れた文章にしないといけません。

同様に、日本語においても「ぼくがうなぎだ。」というような文章は不自然です。それは、「…が」という助詞が自然と主語であることを示してしまうからです。

IモードとDモードの中間にあるフランス語は、基本的に主語優先の言語ですが、話し言葉では主題優先になります。

仏文①主語卓越型:
Je prends une anguille.

仏文②主題卓越型:
Moi, c’est une anguille.

①の文章は、英文と同じように、“Je”(わたし)を主語として、“prends”(食べる)を使って事態を描写しています。

一方、②の文章は、まず “Moi”(ぼく)を主題として文頭に置き、そのあと “c’est une anguille”(うなぎだ)と続けています。

話し言葉のフランス語には、うなぎ文の類例ともみられる事例があり、それはステレオタイプ的な分類(「猫派、犬派」、「コーヒー党、紅茶党」)を示しています。

仏文:
Avec Pierre, on ne va jamais au restaurant italien. Parce que Pierre n’est pas du tout pizza, il est plutôt couscous. Alors on va au restaurant marocain.

日本語訳:
ピエールといっしょには、イタリア料理店には絶対行かない。ピエールはぜんぜんピッツァ派ではなく、むしろクスクス派だからだ。だからモロッコ料理店に行く。

これもまた別種の主題卓越型の文であるといえます。

「高校生と大学生のための金曜特別講座」で学ぶ

今回紹介したのは、「高校生と大学生のための金曜特別講座」で開講された「認知モードの言語間比較」という講義でした。

「高校生と大学生のための金曜特別講座」とは、東京大学が高校生と大学生を対象に2002年より公開している講座のことです。

(サイトはこちら

ここでは、東京大学のさまざまな分野の先生方が、学問研究の魅力を分かりやすく伝えています。

納富信留先生による、古代ギリシア哲学の講義
高校生と大学生のための金曜特別講座「古代ギリシア哲学を学ぶ意義」納富信留

市橋伯一先生による、合成生物学の講義
2021年度夏学期:高校生と大学生のための金曜特別講座 分子から声明をつくる合成生物学

宇野重規先生による、民主主義についての講義
宇野重規「民主主義とは何か:歴史から考える」ー高校生と大学生のための金曜特別講座

など、分野も文理問わずさまざまです。

東大TVでは、過去に開催された金曜講座の動画を数多く公開しています。

対象となっている高校生や大学生はもちろん、大人の方にも視聴いただける、分かりやすい講義になっています。

ぜひ今回の講義の動画を視聴するのにあわせて、ほかの動画もチェックしてみてください。

<文/竹村直也(東京大学学生サポーター)>

2024/01/18

みなさん、こんにちは。
UTokyo OE(UTokyo Online Education)スタッフです。

UTokyo OE(Online Education)が提供するウェブサイト「UTokyo OCW」「東大TV」では、東京大学で公開された講義やイベントの動画・講義資料などを、数多く公開しています。

見たい動画を探す際には、ウェブサイトのトップから、興味のある学問分野や講師の名前によって検索することができます。

「そうは言われても、あまりに多くの動画があってどれから見たらいいか分からないよ!」という方にオススメの、コラム記事のコーナーがあります。

コラム記事は、東京大学の現役学生サポーター・卒業生・スタッフなどが持ち回りで執筆しており、講義動画の概要を紹介したり、執筆者が講義動画を見た感想・自身の体験談などを綴っています。

執筆するトピックは、執筆者の専攻・得意分野に基づいている場合もあれば、ご本人の純粋な興味関心・驚き・感動などから選んでいる場合も。

東京大学を、より身近に感じていただくことができる内容となっております。

「UTokyo OCW」の「だいふくちゃん通信」では、2021年から、学生サポーターの協力を得る現在のスタイルを取り入れました。

約2年間で既に100本程度の記事を公開し、SNSなどで好評をいただいております。

そして、この度、「東大TV」の方でも、同じ執筆チームによるコラムの連載を始めることになりました。

題して、「ぴぴりのイチ推し!」です。

これらのコラムを

・見る動画を選ぶ際の導入として
・ひとつの読み物として
・動画を視聴する際のヒントとして

みなさまの日々の学習にご活用いただけましたら、執筆者一同、大変うれしく思います。

UTokyo OCW「だいふくちゃん通信」

「UTokyo OCW」には、「だいふくちゃん」というマスコットキャラクターがいます。
とても可愛らしい姿に、スタッフたちからも溺愛されております。
お見知り置きを。

〇お名前:だいふくちゃん

〇お誕生日:2月9日

〇役職:広報部長

〇ストーリー:立派なふくろうになるべく、いろいろなことを勉強中。OCWめがねを拾ったことをきっかけにUTokyo OCWと出会い、その面白さにはまってしまいUTokyo OCWのスタッフのお部屋へやってきた。

スタッフも、へぇ、そうなんだ……と忘れている情報が多かったですが、改めて記憶に刻みたいと思います。

さて、我らが広報部長のお名前を冠した「だいふくちゃん通信」と、そのアクセス方法を紹介します。

「UTokyo OCW」では、東京大学が開講する正規講義(所属する学生が履修して単位をもらう通常の授業)を取り扱っています。
実際に学生・大学院生が受講している授業をご覧になりたい方、ぜひご活用ください。

まずは、「UTokyo OCW」にアクセスしましょう。

そして、画面上部のメニュー「だいふくちゃん通信/特集」からプルダウンして、「だいふくちゃん通信」を選択してください。
記事一覧が表示されます。

とはいえ、「記事もたくさんあってどれから読んだらいいか分からない!」という方は、ぜひ、こちらのページを。

【2022年度を振り返る!】だいふくちゃん通信ライターが紹介する人気記事(2023/08/23)

【2023年最も読まれた記事はどれ!?】2023年だいふくちゃん通信アクセス数ランキング(2023/12/26)

学生ライターさんが、2022年、2023年にたくさん読まれた人気記事をランキング形式にまとめ、おすすめコメントとともに紹介してくれました!

東大TV「ぴぴりのイチ推し!」

東大TV」にも、「ぴぴり」というマスコットキャラクターがいます。

ゆるキャラの王道を行くだいふくちゃんのフォルムとは、また違ったおもむき。そして、既存の生き物とも違う独創的な姿(学生サポーターさんから「鳥?」と言われていましたが、空想上の生き物のようです。)

こちらも、負けず劣らず可愛がられています。

〇お名前:ぴぴり|Pipili(公募によって決まりました

〇発見日:2016年6月1日

だいふくちゃんは「お誕生日」が判明していますが、ぴぴりは「発見された日」とのことで……それぞれにいろんなドラマがありそうですね。

東大TV」で扱っているのは、東京大学で開催されるオープンキャンパス・公開講座・著名な方をゲストに迎えた講演会など、多彩な内容です。
YouTubeチャンネルとしては、登録者数11万人を超える大人気コンテンツとなっております。

こころなしか、ぴぴりの顔が誇らしげに見えます。

だいふくちゃんも、お友だちの晴れ舞台なので、よろこんでお手伝いしました。

さて、こんなに人気があり、多様で豊かなコンテンツを持つサイトですから、さらに多くのみなさんに知ってもらいたいと考え、(「UTokyo OCW」と同様に)講義やイベントをピックアップして、コラム形式で紹介することになりました。

ぴぴりが、頭のてっぺんのアンテナからみなさんに発信する、「ぴぴりのイチ推し!」です。

東大TV」にアクセスの上、「特集」からアクセスしてください。

もちろん、ぴぴりちゃんは心の中では全ての講義を「推し」ていますよ!
しかし、なにぶんたくさんのコンテンツがありますので、みなさんの動画視聴のきっかけのひとつとして参考にしていただけるよう、どんどん連載していきたいと思います。

これからも応援をよろしくお願いします!

コラムの更新情報は、公式Twitter・Facebookでも配信しています。

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記事を読んでお気に召していただけましたら、ぜひ、感想などを付けて拡散してください。
みなさまのご声援が、学生ライターの励みとなっています。

そして、Twitterでは、だいふくちゃんとぴぴりがお仕事したり遊んだりしている姿も、ときどき登場しますよ!

2人がイラストになって登場する栞(しおり)もご好評をいただいており、引き続き、東京大学本郷キャンパスの「コミュニケーションセンター」(東京大学本郷キャンパス赤門から入ってすぐ横です)・生協・図書館などで配布中です。

  • 横断検索サイトだから、「横断歩道」を渡っております。
  • 4枚集めると、「あの有名な横断歩道」にそっくりな横断歩道が完成します。

ぜひ、入手してください!

大変好評で、すでに30,000枚近く配布されているのですが、在庫が無い場合もございます。あらかじめご了承ください。(みなさんがしおりに出会えることを祈っています。)

それでは、引き続き、UTokyo OEをお楽しみくださいませ。

<文/加藤 なほ>

2023/05/22

いつも東大TVウェブサイトをご利用くださりありがとうございます。
東大TVウェブサイトは、2023年5月22日にリニューアルいたしました。

リニューアルにより、URLが以下の通り変更となりました。
旧:https://todai.tv/
新:https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/

*旧URLにアクセスされた場合は、自動的に新URLに転送(リダイレクト)されます。

お気に入り登録などされていた方は、お手数をおかけしますが、新URLでの再登録等をお願いいたします。

リニューアルの詳細

リニューアル後の東大TVは、大学総合教育研究センターが運営する UTokyo OCW のサイトと仕様が共通となりました。

トップページからは、任意のキーワードでコンテンツを検索できます。

おすすめキーワードもご活用ください。

条件を指定してコンテンツを検索するには、「動画を探す」メニューを使用します。

イベント一覧から探す」では、イベント名からコンテンツを探すことができます。

最近開催されたものから順番にイベントが一覧で表示されますので、気になるイベントを探してみてください。
絞り込み」のボタンから、条件を絞り込むこともできます。

分野から探す」では、動画を分野別に表示することができます。

タグから探す」では、動画に付けられたタグから探すことができます。
こちらは「中高生向け」の動画などを探すのにとても便利です。

講師から探す」では、講師の先生のお名前を入力して検索するか、一覧リストから選択して検索することができます。

(ご登壇された先生が非常に多いため、気になる先生がいらっしゃる場合はお名前を入力して検索していただくのがおすすめです。)

人気の動画」では、「アクセス数が多い動画」と「最近人気の動画」が表示されますので、「何か見てみようかな」という方はぜひこちらからアクセスしてみてください。

また、これまでになかった機能として、「マイリスト」機能が登場しました!

Googleアカウントを使用して、お気に入りのコンテンツを登録することができます。
(東京大学の教職員の方は、UTokyo Accountを使用してログインすることもできます。)

各動画の右上に、「マイリストに追加」というボタンがあります。

マイリストへのログイン画面が表示されますので、画面の指示に従ってGoogleアカウントでログインしてください。
(東大TVが利用者の方のGoogleアカウントの情報を取得・保存することはありません。)

気になったコンテンツをマイリストに登録しておけば、後からゆっくり見ることができますので、どうぞご活用ください!

横断検索サイト「UTokyo Online Education」のご紹介

また、東大TVのコンテンツだけでなく、大学総合教育研究センターが運営するUTokyo OCWUTokyo MOOCのコンテンツを一括で横断検索することができるポータルサイトもオープンいたしました!

UTokyo Online Education

東大TVで気になった先生のお名前をUTokyo Online Educationで検索すると、先生の正規講義の講義資料や講義映像なども見られるかもしれません。

気になる分野やキーワードで検索すると、東大TV・UTokyo OCW、UTokyo MOOCの全てのコンテンツから検索することができますので、これまで以上にたくさんの魅力的なコンテンツに出会えるようになります!

ぜひUTokyo Online Educationにもアクセスしてみてください。

今後も東大TVをはじめ、大学総合教育研究センターが発信するオンライン教育コンテンツをどうぞよろしくお願いいたします。

2022/07/04

コロナ禍で普及したオンライン交流。
モニター越しに幾度もやりとりをしているのに、実際には会ったことがないという人も大勢いるのではないでしょうか?

対面でのコミュニケーションが日常に戻りつつある今、リアルな会話を新鮮に感じることがあるかもしれません。

オンライン交流のように、目的を持って集まることばかりではない、オフラインでの“はじめまして”の際に、こんな動画はいかがでしょうか。


「ブレストより雑談からアイデアが生まれる」ーー2021年度 東大×知の巨人たちの雑談


東大の教授たちのクロストークシリーズ。
この回のテーマは、主タイトルにもなっている「雑談」です。
オンライン会議の浸透により、アジェンダ付きの話はできるのに雑談はできない人が増えている? 
頭が良すぎる人は大体のことは自分で考えているため、人と喋ってもプラスにならないと思っている?
目的を持たない「雑談」の可能性とは? オフラインで会話を始めるヒントがここにあるかもしれません。


酒井邦嘉「脳はどのように言葉を生み出すか」ーー2015年度 高校生のための東京大学オープンキャンパス


人間を他の動物と分ける要素は、道具・火・言葉の使用だと言われますが、これらの要素はすべて、人間の脳に「言語」の本能が備わっていることに関係します。
コミュニケーションに大きな意味を持つ「言語」とはどのように組み立てられるのでしょう。
そして、脳はどのように言葉を生み出し、その構造をどのように組み立てるのでしょうか。
講演者の研究は、文を理解している時の脳の活動の様子をMRIで測ることで、脳内の「文法の中枢」を明らかにしました。人間は、複数の脳の領域を使い、それぞれの領域が互いにやり取りする中で複雑な文を組み立てることができるのです。
誰もが日常的に使う言葉というテーマを、物理学・生物学・心理学・言語学を横断しながら研究を続ける講演者が考察します。


小島毅「語りと騙り」ーー2011年度 東京大学公開講座「だます」


「ひと語る、ゆえにひとあり。」人はなぜ語るのか。
「語る」ことは、他者への説明であると同時に、自分自身を納得させる行為です。
一つであるはずの事実を、ある受け手のために語る時、それは語り手の視点で”真実”として語られます。そこで、当人が意図したか否かにかかわらず「語り」は加工されます。
そして、それは別の読み手を意識して語る人間の側から見れば、事実が「騙り」であるとされ、批判の対象となってしまう。
つまりは人間社会で「語る」ことは、同時に相手を「騙る」ことが含まれるのではないでしょうか。
そして、その観点から言えば、「騙り」は必ずしも悪とは言えないのかもしれません。
お互いが騙り騙られることで、人間は生きていく。中国思想史家ならではの視点で、「かたり」について考察します。


野中舞子「“役に立つ”心理職とは?[日本語字幕]」ーー2020年度 高校生のための東京大学オープンキャンパス

全く同じ場面・同じ状況であっても、ひとによって考え方が異なります。
「こんな場面、あなたならどうする?」という問いかけから、考え方と気持ちの関係を俯瞰し意識をむけてみると、考え・気持ち・身体・行動が相互に影響し合っていることに気がつきます。
もしストレスを受ける場面にであった時、自分なりのストレス対処法を持っていない人も多いのではないでしょうか?
考えを変えてみたら、身体を大切にしたら、好きな行動をしてみたら、などと言われても簡単ではありません。
誰かに相談したくても、どんな人に相談したらこの悩みは解決するのでしょうか? 
迷ってしまった時は、心理援助職の研究や業務の内容を知ることで、ストレス対処法の探し方や相談相手の見つけ方など、迷い方が見つかるかもしれません。


森田直美「ステレオタイプ的思考が会話に与える影響」ーー2020年度 東大院生・若手教員によるミニレクチャプログラム


女性か男性か、黒人か白人かなど、二項対立化して人を分類する時に生まれやすい、紋切り型の先入観。無意識の中に潜むステレオタイプ的な認知の癖は、時に医師にすら誤った判断をさせてしまうことがあります。
医療通訳をテーマに社会医学を研究する講演者が、実際の医療現場で起きた事例を取り上げながら、誰もが抱えている固定観念に、自分自身でどう気づくか、そのヒントを紹介します。


4分間でみる「東大における英語での学び」ーー2018年度


グローバルリーダーの育成に取り組む東京大学では、語学の授業にとどまらず、多くの教養科目や専門科目も英語で提供され、「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」授業が行われています。
これらの授業には、世界中から集まった留学生も参加しており、日本の学生は彼らとともに学ぶなかで、英語でのコミュニケーション能力を、実践的な形で身につけます。
こちらの動画では、その概要を約4分の動画にまとめて紹介しています。


このほかにも、東大TVにはコミュニケーションを議題にした動画がたくさんあります!
みなさんも興味のある分野やイベント、キーワードからサイトを検索して、自分だけのおすすめ動画を探してみてください!

2022/01/18

皆さんは「アメリカ」を知っていますか? 
一口にアメリカと言ってもその切り口は様々です。
例えば、今もメディアやインターネット上で注目を集めている大統領選ひとつを取ってみても、様々なことが見えてくるようです。

今回の特集では、はじめにそうした大統領選にまつわる動画や、対外的な経済政策についての動画、多言語・多人種が生み出す文化や国民的作家についての動画を取り上げます。
それぞれ異なる視点から捉えた動画ではありますが、並べて見てみると互いに関連しあう問題が徐々に浮かび上がってきます。

そして後半では、アメリカのみに焦点を当てるのではなく、日米関係を扱っている動画を2本セレクトしました。
アメリカという他国をつぶさに見ることで、翻ってどんな日本の姿が浮かび上がってくるのでしょうか。
トランプ政権からバイデン政権への移行期のこの今、アメリカという国について、日本という国について、考えてみる機会としてご活用いただければ幸いです。


オバマを大統領にした男:マーシャル・ガンツによる「市民の力で社会を変える」――特別講演「Global Leadership Program 公開セミナー」
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──バラク・オバマ。
ドナルド・トランプ氏の前任を務めた第44代目アメリカ大統領は、合衆国史上初の有色人種の大統領でした。

さて、皆さんは覚えていらっしゃいますでしょうか? 
彼が大統領選時のスピーチに「Yes We Can」や「CHANGE」といったフレーズを効果的に利用していたことを。
彼の選挙運動はまるで社会現象のように取り沙汰され、アメリカだけでなく世界中に伝播してゆきました。
しかし実際のところ、大統領選が始まった当初は、彼は泡沫候補にすぎなかったのです。
そんな彼が、どのようにして下馬評を覆し、大統領になることができたのでしょうか。

「パブリック・ナラティブ」と「コミュニティ・オルガナイジング」というキーワードを元に、オバマ元大統領の立役者マーシャル・ガンツ氏らが社会改革の手法について討議します。


久保文明「政治への不満が爆発するとき-トランプ現象を事例として」――2017年度公開講座「爆発」


後に紹介する動画とも関連しますが、「人種の坩堝」と形容される移民大国アメリカでは、しばしば人種間での対立が勃発します。
そうした背景の中、2016年には、メキシコからの不法移民に対し強い非難を叫んで話題をさらったドナルド・トランプ氏が大統領選に勝利し、先に紹介したバラク・オバマ大統領に代わって第45代アメリカ大統領に就任しました。
事前の世論調査では、対立候補である民主党のヒラリー・クリントン氏が優勢だった中、強硬的な発言を繰り返すトランプ氏がなぜ選挙に勝てたのでしょうか。
当時のトランプ氏の勝因を、アメリカ政治学がご専門の久保史明先生が詳細に分析しています。


Fireside Chat Regarding U.S. International Economic Engagement [英語]――2019年度「アメリカの国際的経済関与についてスペシャルトークセッション」


環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の離脱、大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定(TTIP)の交渉を中止。
トランプ政権下のアメリカは、グローバリズムから一転して、保守貿易主義を打ち出しました。
もう一つの大国・中国と苛烈な貿易戦争を繰り広げ、その様子は連日報道されたことから、私たちの印象にも強く残っているかと思います。

こちらは藤原帰一先生と米国国務省次官のキース・グラック氏のトークセッションです。
国際政治学の専門家と、外交を担う国務省で行政に携わる人物は、2019年当時のアメリカの対外的経済政策についてどんな意見を取り交わしているのでしょうか。
トランプ政権のこれまでを振り返るためだけでなく、これからのバイデン政権の行末を占うためにもぜひ見ておきたい動画です。


平石貴樹「分析力・洞察力・想像力 エドガー・アラン・ポーをめぐって」――2012年度公開講座「想像力」


アメリカ合衆国史上、最初の専業作家が誰かご存知ですか?
正解は「エドガー・アラン・ポー」です。
世界初の推理小説と言われる『モルグ街の殺人』の著者はミステリの父として有名ですが、同時にまた、アメリカで最初に文筆業のみで生計を立てた人物としても知られているのです。

この動画では、そんなポーの宇宙論『ユリイカ』を俎上に上げ、文学的感性と当時の科学的知見に共通しているかもしれない「想像力」について探究していきます。
その導き手は平石貴樹名誉教授。
フォークナーがご専門のアメリカ文学者の方ですが、本人自身も小説家としてご活躍されています。
学術的・批評的な価値はもちろんのこと、数々のポーの作品を下敷きにした本格ミステリ『だれもがポオを愛していた』の著者である平石先生がポーについて語っているという点では、ミステリファン垂涎の動画でもあるかもしれません。


柳原孝敦「チカーノの悲しみと怒りに耳を澄ませて」――2018年度オープンキャンパス 文学部模擬講義


アメリカの公用語って何語かご存知ですか? 
英語でしょ?
って思った方、実は違うのです。

というか、アメリカには公用語の規定がそもそも存在しないのです。
もちろん一番多く用いられている言語は英語ですが、多民族が暮らすアメリカでは、フランス語やチャモロ語など実に多くの言語が使用されています。

そして、英語の次にアメリカで話されているのがスペイン語です。
この講義では、英語圏ではなく、スペイン語圏の文学研究をしている柳原孝敦先生を講師に迎え、チカーノと呼ばれるメキシコ系アメリカ人たちの文化を紹介しています。

英語とスペイン語が混交したスパングリッシュを用いる彼らの戯曲や小説、音楽には、一体どんな思いが込められているのでしょうか。


吉見俊哉「戦後日本におけるアメリカニズムと権力」――2007年度公開講座「力<チカラ>」


なぜ、日本はここまで親米的なのでしょう? 
情報学環の吉見俊哉先生は、まずこの問いから出発します。

動画内ではその事実がきちんとデータで示されていますが、そうではなく漠然とでも、日本はアメリカに好感を抱いているな、と感じる方も多いと思います。
でも本当に、なぜなんでしょう?

ある人は、アメリカの大衆消費文化の魅力を理由をあげるかもしれません。
しかし、これではどうやら説明がつきそうにありません。
もしこの理由が妥当ならば、アメリカの消費文化を受け入れいてる他国も同様に親米感情が高いはずなのに、日本ほど高い数値は示していないからです。

また、ある人は日本の親米感情の高さを戦後復興と結び付けて考えるかもしれません。
しかし、戦後の直後ならともかく、今現在も親米感情が持続するのはやはり不可解です。

では一体、なぜ? 
吉見先生が動画内で唱える仮説は、この疑問に対して見事な回答を与えてくれます。


阿部誠「ものづくりを諦めたアメリカ、マーケティングの出来ない日本:顧客の力を探る」――2007年度公開講座「力<チカラ>」


「アメリカは、ものづくりができないのではなく、やりたくないのである」
アメリカ帰りの阿部誠先生は、現地での生活を概観して、こう導き出します。

どういうことでしょうか? 

つまり、合理性を貫くために、コストのかかるものづくりは海外に外注してしまうのが当時のアメリカの現状だったのです。
今風に言い直せば「ものづくりはコスパが悪い」とでもなるでしょうか。

翻って日本の産業はどうなのでしょうか。
実は、日本も同じような状況に陥っており、製造業志向の『ものづくり』から変身しなければ日本に未来はないと、阿部先生は2007年当時の日本の産業に暗い予見をしています。

では、具体的にどうすれば良いのでしょう。
その詳細は、ぜひ動画で確かめてみてください。


このほかにも、東大TVにはアメリカや日米関係についてもっと知ることができる動画がたくさんあります!
みなさんも興味のある分野やイベント、キーワードからサイトを検索して、自分だけのおすすめ動画を探してみてください!

2021/09/30

オンライン授業が続いて講義と講義の間で気分が切り替わらない時。
レポートを明日までに書き上げなければいけないけれど、ちょっとだけ息抜きしたい時。
何か見たいけれど何を見ていいのかわからない時。
TikTokを見始めたら延々と見てしまいそうで怖い時……

東大TVで短い動画を見てみませんか? 
3~10分程の短い動画も東大TVには沢山あります。
ザッピング感覚でお気軽にどうぞ!


■ 東大院生・若手教員によるミニレクチャプログラム(各10分程度)

冒頭に要点がまとめてあり、とにかくわかりやすい構成となっているのが「東大院生・若手教員によるミニレクチャプログラム」です。知らなかった事柄について理解までセットになっているので視聴後はスッキリ感があります。


▼ 第12回~第15回ミニレクチャプログラムの動画一覧はこちら
https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/course_12037/
https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/course_12019/
https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/course_12013/
https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/course_11995/

▼ 「わかりやすい講義構成を自分も身に着けたい!」と思ったらぜひ東京大学フューチャーファカルティプログラム(東大FFP)の受講をご検討ください!

UTokyo OCW|2020年度開講 大学教育開発論/東京大学フューチャーファカルティプログラム(東大FFP)



■ FLY Program(各10分)

コロナ禍で県境をまたぐ移動すら難しくなり2年近く経ちますが、広く世界・深く国内を縦横に好きなテーマで切り込む東大生を、物心両面で応援するプログラムがFLY Programです。
体験談には1年の自立と繋がりに溢れた学びがあり、同時に「コロナが落ち着いたらどこに行こう」と、こちらまでワクワクしてくる楽しさがあります。

▼ FLY Program 公式ウェブサイトもぜひチェックしてみてください。
https://www.fly.c.u-tokyo.ac.jp/

■ はてな宇宙シリーズ(各10分程度)

2分弱から5分弱、どこかで聞いたことがある理論や原理についての説明を数多く視聴でき、短くても1本ごとに見終わったらなんとなくわかった気持ちになります。
気になるあなたはそこから更に「前提になってるこの原理、自分はホントに理解しているかな」「この理論、講義で聞いたけど数式にしたらどうなるんだったかな」……と興味を深堀りしていくのもおすすめです!


▼ 「はてな宇宙」の動画一覧はこちら
https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/course_11772/

■ 2021年度「東大生のためのワークルール入門:働くことの意味、責任、権利について考える」(各5分程度)

アルバイトや就活を始める時は、ちょっと不安ですよね。
オンラインが続いて、気軽に相談できる先輩とのつながりがない学生の方々にぜひご覧いただきたいのがこちらの動画です。
1本5分ほどの短いドラマ仕立てで、あなたの身を守る知識がぎゅぎゅっと詰め込まれています。
動画だけでは解決できない時の相談窓口も載っていますので、今まさに悩んでいる方も必見です。


▼「東大生のためのワークルール入門」の動画一覧はこちら
https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/course_12052/

このほかにも、東大TVには短い時間で学べる動画がたくさんあります。
興味のあるキーワードで検索して、動画を探してみてください!

2021/04/28

木々の若葉も芽吹き、すがすがしい風が吹き抜ける今日この頃。
体を動かすにはうってつけの季節となりました。

そこで今回の特集では、効率の良い体の動かし方や、安全で効果的なトレーニング方法を考えるうえで参考になる動画をピックアップしました!

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、ますます家で過ごす時間が増えそうな昨今ですが……
そんな時だからこそ、これらの動画を観つつ、気持ちよく体を動かしてみませんか?


石井 直方「図書館で体を動かそう! 石井直方先生が教える疲れにくく元気な体を作るスロトレエクササイズ」――2015年度 新図書館計画トライアルイベント「東大の知を体感する」



講師は「筋肉博士」として有名な石井直方先生です!
家の中でもできるさまざまなエクササイズを、なんと石井先生直々の実技指導・解説でご覧いただける動画となっています。
エクササイズの内容は、ゆっくりとした動作で行う「スロトレ」が中心となっていて、やってみるとジワジワと効いてくるのが実感できます!
(実施する際は、動画内で説明されている注意点をしっかり守って、ケガの無いように気をつけながら運動を行ってください。)

エクササイズ以外にも「2 ステップテスト」や「立ち上がりテスト」といった、歩行機能の衰えを把握するための簡易なテストが紹介されています。
ご自分の足腰に衰えがないかも、ぜひテストしてみてください。


野崎 大地「だまして分かる脳が身体を操るメカニズム」――2011年度公開講座「だます」



「脳をだます」実験によって得られた運動学習に関する知見が紹介されています。
なにかの運動スキルを覚える際に、「頭ではなく身体で覚えよ」という言葉の聞くことがあるかと思います。
何度も繰り返すことによってその運動スキルを無意識的に覚えてしまうということを実感したことがある方は多いかと思いますが、そのしくみの一端が研究データによって詳細に説明されています。
スポーツ選手やその指導者にとっても、スキル向上のためのヒントになるかもしれません。

また、「運動するのはちょっと苦手」と思っている方でも、からだを動かすしくみについてご興味があればぜひご覧ください。


八田 秀雄「乳酸の新たな視点からみる運動の疲労とエネルギー代謝」――2014年度 駒場祭公開講座



疲れの原因を「乳酸」のせいにしていませんか?
たしかに激しい運動をすると乳酸が多く作られるようですが、その濃度はわりとすぐに減っていくとのこと。
むしろエネルギーとしても使われるそうです!
だれかが作った「乳酸が溜まったから疲労している」という構図は、素人考えでついつい「そうなのかな」と思ってしまいますが、実はそうではないんですね!
「乳酸」=悪者、といった短絡的な理解から脱却し、新たな視点から疲労というものを捉えなおす。
そんなきっかけを与えてくれる動画です。


渡會 公治「スポーツにおけるフォームとバランス」――2008年度公開講座「バランス」



スポーツ医学の先生から見た「バランスのよい身体とフォーム」について、さまざまな実例を交えて紹介・説明されています。
1、2回の運動であれば、身体やフォームのバランスが悪かったとしてもケガにつながらないかもしれませんが、それを練習などで何度も繰り返すうちに、ケガに発展するということもあるかと思います。
また、立つ・しゃがむといった動作であれば、どなたでも毎日繰り返し行っていると思いますが、動画の最後の方には立ち方のチェックやしゃがんだときの姿勢チェックを行う場面がありますので、これを参考にご自身のバランスチェックを是非行ってみてください!


稲見 昌彦「バーチャル化する身体」――2016年度公開講座「仮想と現実」



最後にご紹介するのは、これからさらに発展してくるであろう、VRやARの研究・開発事例とその未来についての動画です。
「人間拡張学」と呼ばれる分野に関する内容ですが、人間の機能を拡張するような装置が開発され、それらが発展してくることにより、幽体離脱のように自分の身体を外から眺めることや、SFドラマ・アニメのように何かに変身したり、誰かと入れ替わるというようなことも体験できるようになるようです。
最近ではVR・AR技術を応用したゲーム・スポーツもだいぶ普及し、人間拡張の技術に基づく「超人スポーツ」に関するさまざまな取り組みも行われてきていますので、外出しなくてもスポーツを気軽に楽しめるようになる日も近い(?)のかもしれませんね。
「超人スポーツ」について気になる方は是非ご覧ください!


このほかにも、東大TVには体の動かし方について勉強できる動画がたくさんあります。
興味のあるキーワードで検索して、動画を探してみてください!

2020/11/04

秋といえば、読書に、スポーツに、行楽に……

そして芸術を楽しむ季節です!

そこで今回の特集では、芸術の秋を満喫するのにぴったりの動画をセレクトしました。
ここでしか聞けないパイプオルガンの演奏、知ればもっと絵画や物語が楽める知識、あるいはもっとスケールを広げて、文化全体に思いを馳せる時間……
などなど、東大TVでしか味わえない「芸術の秋」をお楽しみください!


ヘルマン・ゴチェフスキ「パイプオルガン演奏1」 ——2019年度 教養学部創立70周年シンポジウム

中川岳「パイプオルガン演奏2」 ——2019年度 教養学部創立70周年シンポジウム


東京大学には古い建築物や日本庭園など、芸術鑑賞が楽しめる名所がいくつかありますが、キャンパスにパイプオルガンがあることをご存じの方は、多くはないのではないでしょうか。
1977年に駒場Iキャンパスの教養学部900番教室に設置されて以来、定期演奏会などを通して東大生や地域の方々に愛されてきたオルガン。
こちらの動画では、その演奏をご覧いただけます。
教養学部創立70周年シンポジウムの際に収録したのですが、講堂に満ちる美しい音の重なりに、スタッフも目頭を熱くして聞き入っておりました。
音楽は心にじんわり染みますね。
みなさんもぜひ、ここでしか味わえない音の響きをお楽しみください。


秋山聰「図像学入門 −美術作品の「読み方」——2019年度オープンキャンパス 文学部模擬講義


芸術の秋といえば、絵画鑑賞も楽しみのひとつ。
美術館に足を運んだり、画集を眺めたり、テレビで特集番組を見たりと、私たちは多くの絵画を見る機会に恵まれていますが……
しかし本当は、そこに「何」が書かれているのかを知らないこともあるのではないでしょうか。

近代以前のヨーロッパでは、絵や彫刻はただ眺めて楽しむものではなく、「読んで、意味を理解する」ものでした。
絵の中の人物の衣服の色、手にした持ち物、周りに描かれた事物や風景。
そうしたものを手掛かりに、その人物が誰なのか、聖書や神話のどんな場面を描いているのかといったことを、一枚の絵から読みとっていたのです。
例えばヨーロッパの古い絵画では、「男性の生首を手に持つ女性」の絵がしばしば見られます。
ぱっと見ちょっと恐ろしい絵ですが、当時の人々は彼女のほかの持ち物を見ることで、彼女が誰で、どんな物語があって男性の生首を手にすることになったのかを理解することができていたのです。

この動画では、そうした絵言葉を研究する「図像学」について学ぶことができます。
これを見たら、ヨーロッパの宗教画や神話画への理解が、ぐぐっと深まること請け合いです!

ところで、「生首を持った女性」が誰かというと、「1.洗礼者聖ヨハネの処刑を望んだサロメ」「2.敵将の首を討ち取ったユディト」のどちらかが正解となります。
どちらをどう見分ければいいのかについては……
動画でぜひ!


楯岡求美「物語の形:聞こえるものと見えるもの」——2019年度オープンキャンパス 文学部模擬講義


文学、詩、絵画、音楽、映画、アニメ……
今やさまざまな芸術ジャンルが研究の対象となっていますが、その中に「物語」を扱う学問領域があるのをご存知ですか?
その名もまさに「物語論」。

——え、物語を研究するってどういう事? 
そう疑問に思った方は、ぜひこの動画のリンクをクリックしてみてください。

直木賞を取ったあの小説、社会現象にもなったあのマンガ、気になるハリウッドの超大作から、毎週トレンド欄を賑わす日曜ドラマ、子供の頃夢中になったRPG、美術館にかかっている荘厳な宗教画……
私たちの周りは実に多くの「物語」が取り巻いています。

そうした「物語」たちの仕組みに詳しくなって、芸術の秋も読書の秋も満喫しちゃいませんか?


音楽文化の「グローバル化」?−音響テクノロジー・音楽産業・地域文化−(渡辺 裕)


New Luxury World from Japanese Crafts生駒 芳子)


「和太鼓の衣装として褌(ふんどし)を提起したのは、かのピエール・カルダン」。
今回紹介する講義は、そういった、人に話したくなるようなトリビアや、イノベーティブなトピックスに溢れています。
特に伝統・文化やファッションの商業的なスケールに興味がある方は、この二つの動画は必聴です!
時間と距離の生み出す価値から目を背けたくなる悲喜交々までを、ぜひ覗いてみてください。


このほかにも、東大TVには芸術の秋を堪能できる動画がたくさんあります!
みなさんも興味のある分野やイベント、キーワードからサイトを検索して、自分だけのおすすめ動画を探してみてください!