サスティナビリティについて
“サスティナビリティ”という言葉は皆さんにとっても馴染みのある言葉であり、日本のみならず世界中で広く使われています。それでは、今一度この言葉の意味、使われるようになった背景について考えてみましょう。
言葉の意味と使用背景
サスティナブルな世の中を目指すとは、
・自然環境が維持されながら社会の経済活動も持続される世の中を目指す
ということです。
この目標自体はもちろん素晴らしいものであり、我々がこの先目指すべき姿です。しかしながら、この“サスティナブル”が目指されるようになった背景には、今までの我々の生き方では、自然を壊さずに経済発展を維持するということが難しくなってきたという事実があります。
そのため、どうやらサスティナビリティの追求は、我々の生き方に大きな変更を迫るという認識をする必要がありそうです。
今回は東京大学公開講座(2023年春季)「サスティナビリティと人口減少-反出生主義へと向かわせるもの」から、サスティナビリティについて改めて考えてみましょう。講師は、東京大学人文社会系研究科の堀江宗正(ほりえのりちか)先生です。
サスティナビリティと人口抑制
今回の講義でも取り上げられているように、実は“サスティナビリティ”という観点で“人口抑制”というトピックが度々取り上げられてきました。一体どのような点でサスティナビリティと人口抑制が結びついているのか疑問に感じた人も多いのではないでしょうか。この糸口を掴むには、世界の人口の推移に目を向けるとわかりやすいかもしれません。
日本の人口減少から学ぶこと
世界的に見れば人口は増加の一途を辿っています。しかしながら、出生率が高いアフリカ諸国や、人口が多い国として知られる中国やインドでさえ、出生率の低下や、将来的な人口減少が予測されています。
これらの世界的な傾向から、
日本における人口減少・少子高齢化は日本に極端な欠陥があることを意味するものではない
と先生は語っています。
むしろ、世界中が目を向けるべき普遍的な問題を孕んでいると言うのです。その普遍的な問題とは一体何なのでしょうか。気になる方は講義動画をご覧になって確かめてみてください。
<文/悪七一朗(東京大学学生サポーター)>
今回紹介した講義:第136回(2023年春季)東京大学公開講座「少子化」 サスティナビリティと人口減少-反出生主義へと向かわせるもの 堀江 宗正
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