2015年9月25日は、国連総会において「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択された日です。
これにちなんで、毎年9月末の国連総会開催期間の1週間は、SDGsの推進と達成に向けて意識を高め、行動を喚起する「SDGs週間(グローバル・ゴールズ・ウィーク)」となっています。
そこで、東大TVでは8月・9月・10月の3ヶ月連続企画として、SDGsが設定する「17の目標」に関連する動画をご紹介していきます。
未来の世代のために、今、私たちができることは何でしょうか。
この特集をきっかけに、考えてみませんか?
※SDGsについての詳細は下記をご参照ください
『持続可能な開発目標報告2022』(17の目標についての詳しい解説)
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_report/
目標1:貧困をなくそう
川崎 昭如「地球環境学:貧困と災害、持続可能な開発を考える」――2015年度オープンキャンパス 模擬講義
17の目標で最優先とされる課題は、「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」ことです。
この動画ではタイやミャンマーでの現地調査をもとに、現地の貧困が自然災害と関わりが深いこと、
それが社会的な悪循環につながっていることなどを指摘しつつ、「持続可能な社会」の実現に向けた
自然科学と社会科学による統合的なアプローチの重要性について考えていきます。
目標2:飢餓をゼロに
難波 成任「8億人分の食糧が毎年病気で消えている」――2006年公開講座「人口」
飢餓を食い止めるために必要な対策としてまず思い浮かぶのが、食料の確保です。
しかし世界の食糧生産のうち三分の一は、微生物や昆虫、化学物質などさまざまな要因で失われており、特に病気による損失は12%にも達するとのこと。
これを食い止めるためは「植物のお医者さん」が必要です。
ここではそうした「植物医師」を養成する「植物医科学」について紹介しています。
目標3:すべての人に健康と福祉を
田中 宏和「健康政策を支える科学ー疫学研究とその活用」――2015年度 東大院生によるミニレクチャプログラム 第5回
すべての人が健康に過ごすためには、伝染病などに対策を打つことも必要です。
「疫学」はそうした伝染病をはじめとする人間の健康に関連する諸問題に対し、有効な対策を考えるための科学分野のこと。私たちにとって身近な健康政策にも応用されています。
この動画ではディスカッションやクイズを交えながら、健康政策と疫学の関係をわかりやすく学べます。
目標4:質の高い教育をみんなに
スティーブン・バーネット「すべての子どもたちに幼児教育を保障する」――2018年度 Cedepシンポジウム
全世界の過半数の子供と若者が、今なお基本的な読み書きや算数ができないと見られています。
豊かな社会の実現と維持のためには、幼児教育への投資が必要となります。
しかし、この分野への公的投資は成果が得られにくいという事実もあるそう。
米国の事例や統計を紹介しながら、幼児教育政策の「パラドックス」を解決する道を提案します。
目標5:ジェンダー平等を実現しよう
デニ・ムクウェゲ「コンゴ東部における性暴力と紛争鉱物」――2016年 デニ・ムクウェゲ医師講演会
目標5のターゲットのひとつに、「全ての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する」ことがあります。
デニ・ムクウェゲ氏は、コンゴ東部で行われている女性への凄惨な性暴力問題に取り組む医師で、2018年にノーベル平和賞を受賞しました。
この動画では、現地の紛争の原因である鉱物と性暴力との関係、そして国際社会の責任について語っています。
来月の特集では、目標6から11に関連する動画をご紹介します。楽しみにお待ちください。
また、このほかにも東大TVにはSDGsに関連する動画がたくさんあります。
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