3月は卒業シーズン。
学生の皆さんにとってはもちろんのこと、先生方にとっての「卒業」の季節でもあります。
そこで今回の特集では、今年度に退職される教員の中から、東大TVで講演をご覧いただける先生方をご紹介します。
最近のご講演から、中には10年以上前の映像まで。
ご専門となる研究分野のあゆみにも思いを馳せつつ、ご覧いただければ幸いです。
[参考:令和元年度 退職教員一覧]
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/info/retirement_AY2019.html
大学院人文社会系研究科・文学部 沼野 充義 先生
専門分野:ロシア、ポーランド文学、世界文学論、文芸評論
いまでは世界中で誰もが知っている「ロボット(Robot)」という言葉は、チェコの作家チャペックがチェコ語をもとに作った新造語でした。
2006年に行われたこの講義では、レム、アシモフなどの作品を紹介しながら、文学的想像力と科学技術の関係について検討しています。
大学院総合文化研究科・教養学部 石井 直方 先生
専門分野:筋生理学
健康をもたらす筋肉を作るには、理論に根差した適切なトレーニングが必要です。
ボディビルダーとして世界大会で3位を獲得したこともある石井先生が、少しの力でより効率的に効果を上げられる筋肉トレーニングを紹介します。
大学院総合文化研究科・教養学部 丹野 義彦 先生
専門分野:臨床心理学、異常心理学
うつや不安といった心理病理は、不適応と適応の両面があり、そのバランスをとることが大切です。
心理病理をコントロールしながら共存する、「認知行動療法」についてお話しします。
大学院法学政治学研究科・法学部 道垣内 弘人 先生
専門分野:民法
日本の法制度において基本法の1つである民法には、明治時代における制定、その後の学説継受、制定後100年の経過により生じた様々な縺れがあります。
講義では、縺れの具体例と、その解消の試みについて考えていきます。
大学院農学生命科学研究科・農学部 中山 裕之 先生
専門分野:獣医病理学
タスマニアン・デビルの伝染するがん、老齢動物の脳病変、犬と猫のがん、忠犬ハチ公の死因などのトピックスを通じて、がんやアルツハイマー病といった老化に関連する疾患について考察しています。
大学院農学生命科学研究科・農学部 山岸 順子 先生
専門分野:作物学
作物栽培においては、①収量が多いこと、②品質がよいこと、③農作業者の負担とコストが少ないこと、④環境に優しく安全であること、の4つが求められています。
イネの栽培を例にして、これらの成立過程と歴史的な変遷、および現代におけるバランスのあり方について解説します。
大学院総合文化研究科・教養学部 丸山 真人 先生
専門分野:経済人類学・エコロジー経済学
人間は商品に依存することなく満足のいく生活を送れるのでしょうか。
生態系を維持するために必要な制度としてのコモンズに注目しながら、生態系に負担をかけない、脱商品化された経済のあり方を構想します。
大学院情報理工学系研究科 石川 正俊 先生
専門分野:システム情報学
ビジョンチップによって1秒間に1000枚の画像の処理が可能となり、ロボットの柔軟な動作が人間の目には見えないスピードで実現できるようになりました。
その原理と構造を説明するとともに、様々な形の超高速ロボットの実例をビデオで紹介しています。
大学院情報理工学系研究科 中村 仁彦 先生
専門分野:ロボティクス
ロボットは身体をもったコンピュータと見ることができます。
その身体にどのような「形」を与えるべきなのでしょう。
人はなぜヘビやトカゲでなく、イヌやネコに親近感を覚えるのか?
日常生活で親近感をもつロボットに必要な知能とは?
さまざまな角度から考えます。
大学院情報理工学系研究科 廣瀬 通孝 先生
専門分野:システム工学、ヒューマン・インタフェース、バーチャル・リアリティ
デジタル技術を駆使して疑似的体験をつくり出す技術として、今ではすっかりおなじみになったVR(バーチャルリアリティ)。
それは「感覚の技術」とも呼ばれます。本講義では、これまで難しいとされてきた触力覚、嗅覚、味覚などを中心に、新しい感覚の技術について語ります。
大学院情報学環・学際情報学府 田中 淳 先生
専門分野:災害情報論
いろいろな災害情報が提供されるようになってきた昨今。
情報で命を救うことはできるのでしょうか。
命を救うためにはどのような条件が必要なのでしょうか。
この講義では住民調査の結果に基づいて、災害情報の発表の仕方、伝え方、使い方を具体的に考えていきます。
ここに挙げた以外にも、東大TVには退職される先生のほかの講演の動画もあります。
興味を持たれた先生のお名前で、サイトを検索してみてください!