2022年度開講
東洋文化研究所公開講座 第20回 アジアの書
東洋文化研究所新収図書『新刻彙正十八国闘宝伝』をめぐって―― 新発見の明代小説 ――
上原 究一
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東洋文化研究所は数多くの貴重書を収蔵しています。このたび、中国で明の時代に出版された『新刻彙正十八国闘宝伝』という本が、新たにその仲間に加わりました。 春秋時代に実在した伍子胥という文武両道の名将を主人公とする通俗小説で、これまで存在が知られていなかった、新発見の作品です。 とはいえ、そのストーリーは、今まで誰も知らなかったお話というわけではありませんでした。それどころか、明よりも前の元の時代から今日に至るまで、お芝居や講談、さらには他の小説など、さまざまな形で親しまれ続けてきたお話のバリエーションのひとつだったのです。 本講座では、この本の概要をご紹介するとともに、明代や清代の中国で出版された小説が他にもたくさん日本に残っている背景などにも触れたいと思います。
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