JRA畜産振興事業シンポジウム
2010年度開講

JRA畜産振興事業シンポジウム

事業の概要について
関崎 勉

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平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では、古くから畜産が盛んで、乳用牛や肉用牛がさまざまな地域で多数飼育されている東北地方が甚大な被害を受けた。それらは、地震によるインフラ等への直接的被害だけでなく原子力発電所事故に起因する二次災害であり、後者は現在でも終息の見通しが十分に得られておらず、被災地の畜産業は依然として危機的な状況におかれている。このような厳しい状況においては、被災地の畜産物に対して一般消費者等がもつイメージもネガティブなものとなっており、これが被災地畜産物の価格低下、買い控え等を引き起こす大きな要因となっている。また、これらは畜産業関係者の事業意欲の減退につながり、被災地の畜産の活性化及び復旧・復興を大きく妨げかねない。


被災地の畜産物に対する理解を得るには、正しい情報の把握と正しい理解を促すための適切な情報整理と伝達手段が不可欠である。しかし、現時点では、本分野に関して科学的判断がなされた情報の収集・解析(文献調査)、そして消費者等(事業者も含める)とのリスクコミュニケーションを行うためのツールはいずれも不足しており、その充実に緊急に取り組む必要があった。ここでは、本事業「畜産物に対する放射性物質の安全に関する調査」で被災地の畜産物の理解醸成を促すために行った、4つの事業について概説する。

参考: http://www.frc.a.u-tokyo.ac.jp/information/news/120324.html

講師紹介
東京大学 食の安全研究センター センター長
※所属・役職は登壇当時のものです。

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