2006年度開講
東京大学公開講座「水」
悪水をめぐる紛争―日本史に見る「水の捨て方」―
新田 一郎
動画
水をめぐる紛争というと用水相論が思い浮かびがちだが、日本では近世以来、不用の水をいかに捨てるかもまた大きな問題であり、しばしば紛争へと展開した。水は生活を営むう上で不可欠だが、不用の水はしばしば災害を招く。水を、得るだけでなく適切に捨てるためのコストが、どのように負担されるべきか、その調整のためにどのような仕組みが作動していたのか。都市生活排水ではなく、農村の「悪水」に焦点を据え、水を捨てるためのコストをめぐる人々の考え方の一端に、触れてみたい。
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