2006年度開講
東京大学公開講座「グローバリゼイション」
グローバル化する大気汚染
近藤 豊、小林 和彦
動画
アジアでの急速な経済発展に伴って大気汚染物質の発生量が著しく増大し、大陸規模・地球規模での環境影響が懸念されるようになってきた。人間活動により生成される大気中の微粒子(エアロゾル)は、太陽光を吸収・散乱し、地球を加熱・冷却したり、雲や降雨にも影響を及ぼす。このように、エアロゾルは気候に影響を与え、地球温暖化予測の大きな不確定要素にもなっている。一方、汚染物質から光化学的に生成されるオゾンは、その強い酸化性により、農作物や樹木の生長を阻害し、世界の食料生産や自然生態系の保全に支障をきたすおそれがある。講演ではエアロゾル・オゾンによる気候や生態系への影響研究の最前線を紹介する。