特集:芸術の秋
2020/11/04

秋といえば、読書に、スポーツに、行楽に……

そして芸術を楽しむ季節です!

そこで今回の特集では、芸術の秋を満喫するのにぴったりの動画をセレクトしました。
ここでしか聞けないパイプオルガンの演奏、知ればもっと絵画や物語が楽める知識、あるいはもっとスケールを広げて、文化全体に思いを馳せる時間……
などなど、東大TVでしか味わえない「芸術の秋」をお楽しみください!


ヘルマン・ゴチェフスキ「パイプオルガン演奏1」 ——2019年度 教養学部創立70周年シンポジウム

中川岳「パイプオルガン演奏2」 ——2019年度 教養学部創立70周年シンポジウム


東京大学には古い建築物や日本庭園など、芸術鑑賞が楽しめる名所がいくつかありますが、キャンパスにパイプオルガンがあることをご存じの方は、多くはないのではないでしょうか。
1977年に駒場Iキャンパスの教養学部900番教室に設置されて以来、定期演奏会などを通して東大生や地域の方々に愛されてきたオルガン。
こちらの動画では、その演奏をご覧いただけます。
教養学部創立70周年シンポジウムの際に収録したのですが、講堂に満ちる美しい音の重なりに、スタッフも目頭を熱くして聞き入っておりました。
音楽は心にじんわり染みますね。
みなさんもぜひ、ここでしか味わえない音の響きをお楽しみください。


秋山聰「図像学入門 −美術作品の「読み方」——2019年度オープンキャンパス 文学部模擬講義


芸術の秋といえば、絵画鑑賞も楽しみのひとつ。
美術館に足を運んだり、画集を眺めたり、テレビで特集番組を見たりと、私たちは多くの絵画を見る機会に恵まれていますが……
しかし本当は、そこに「何」が書かれているのかを知らないこともあるのではないでしょうか。

近代以前のヨーロッパでは、絵や彫刻はただ眺めて楽しむものではなく、「読んで、意味を理解する」ものでした。
絵の中の人物の衣服の色、手にした持ち物、周りに描かれた事物や風景。
そうしたものを手掛かりに、その人物が誰なのか、聖書や神話のどんな場面を描いているのかといったことを、一枚の絵から読みとっていたのです。
例えばヨーロッパの古い絵画では、「男性の生首を手に持つ女性」の絵がしばしば見られます。
ぱっと見ちょっと恐ろしい絵ですが、当時の人々は彼女のほかの持ち物を見ることで、彼女が誰で、どんな物語があって男性の生首を手にすることになったのかを理解することができていたのです。

この動画では、そうした絵言葉を研究する「図像学」について学ぶことができます。
これを見たら、ヨーロッパの宗教画や神話画への理解が、ぐぐっと深まること請け合いです!

ところで、「生首を持った女性」が誰かというと、「1.洗礼者聖ヨハネの処刑を望んだサロメ」「2.敵将の首を討ち取ったユディト」のどちらかが正解となります。
どちらをどう見分ければいいのかについては……
動画でぜひ!


楯岡求美「物語の形:聞こえるものと見えるもの」——2019年度オープンキャンパス 文学部模擬講義


文学、詩、絵画、音楽、映画、アニメ……
今やさまざまな芸術ジャンルが研究の対象となっていますが、その中に「物語」を扱う学問領域があるのをご存知ですか?
その名もまさに「物語論」。

——え、物語を研究するってどういう事? 
そう疑問に思った方は、ぜひこの動画のリンクをクリックしてみてください。

直木賞を取ったあの小説、社会現象にもなったあのマンガ、気になるハリウッドの超大作から、毎週トレンド欄を賑わす日曜ドラマ、子供の頃夢中になったRPG、美術館にかかっている荘厳な宗教画……
私たちの周りは実に多くの「物語」が取り巻いています。

そうした「物語」たちの仕組みに詳しくなって、芸術の秋も読書の秋も満喫しちゃいませんか?


音楽文化の「グローバル化」?−音響テクノロジー・音楽産業・地域文化−(渡辺 裕)


New Luxury World from Japanese Crafts生駒 芳子)


「和太鼓の衣装として褌(ふんどし)を提起したのは、かのピエール・カルダン」。
今回紹介する講義は、そういった、人に話したくなるようなトリビアや、イノベーティブなトピックスに溢れています。
特に伝統・文化やファッションの商業的なスケールに興味がある方は、この二つの動画は必聴です!
時間と距離の生み出す価値から目を背けたくなる悲喜交々までを、ぜひ覗いてみてください。


このほかにも、東大TVには芸術の秋を堪能できる動画がたくさんあります!
みなさんも興味のある分野やイベント、キーワードからサイトを検索して、自分だけのおすすめ動画を探してみてください!